ヘルムート・バーガーのこと

私が大学生ぐらいのころ、1970年代後半には、イタリアのルキノ・ビスコンティ監督の映画が人気でした。
「家族の肖像」とか「地獄に堕ちた勇者ども」「ベニスに死す」「イノセント」「ルートヴィヒ」などを見に行きましたが、彼の映画でよく主演していたのがヘルムート・バーガーでした。

美青年の彼は、ビスコンティの恋人とも言われていましたが、特に「地獄に堕ちた勇者ども」の演技は鬼気迫るものがありました。
ナチスの軍服を着たヘルムート・バーガーのセクシーな魅力に、ナチスの持つ危険な魅惑の力を感じてしまいました。

「美しい悪のほうが、凡庸な善よりも魅力的だと思う」などと、若いころの私はそういうものを見て発言していました。
悪の美学のようなものを、ヘルムート・バーガーの演技から感じることができたのでした。